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ふるさと納税について

  • The K Life Facilitation
  • 2024年8月22日
  • 読了時間: 3分

 皆様、ふるさと納税はやっていますか?


 2008年にはじまったふるさと納税制度。自治体に寄付を行うことで返礼品を受け取ることができ、税控除も受けられるというおトクな制度で利用されている方も多いかと思います。


 今週号の東洋経済(8/24)の特集が「ふるさと納税のカラクリ」で、内容が面白かったのでふるさと納税について書いてみたいと思います。


 詳細は雑誌を買って読んでいただきたいのですが、記事の中にはふるさと納税についてネガティブな記事もありました。実は私は、「ふるさと納税は個人のレベルではおトク」だとは思っていますが、「社会的にはどうなんだろう?」とかなり以前から考えています。


 現状のふるさと納税はよくニュースでも言われるように「返礼品合戦」の様相を呈しており、いかに自分の自治体に寄付金を引き込むかという競争状態になっています。

このように自治体や政府といった公の組織に競争の原理が持ち込まれることについて、


 「無駄の多いお役所仕事の効率化につながる!」


と称賛されることが多いように思うのですが、そもそもなぜ「民間経済」と「政治」が分かれているのか、皆一度改めて考えた方がいいと思うのです。


 「市場の原理:神の見えざる手」に全て任せておけばいいのであれば、そもそも政治なんていらないはずです。社会には色々な人々がいて、当然社会的に弱いとされる人たちもいます。そういった人たちが生きていくためのサービスなどは、市場に任せていても発生するはずがありません。メリットがない・儲からないからです。それでもそういったサービスが社会には必要なので、政治や公という考え方があるわけです。弱いものは放っておけばいい、という社会を私は求めていません。


 「頑張れば頑張るほど寄付金が増えて報われる、ふるさと納税は素晴らしい」

という自治体がいるのも知っていますが、一方で世の中には、なかなか人に見向いてもらえるよな産業・特産品がない、という自治体も相当数あります。都市部で暮らしてきて「地方=観光」をイメージする人たちには想像しにくいかもしれませんが、人々が住み暮らしていくだけの地域というのも確かに存在するのです(口が悪く聞こえるかもしれませんが)。そういった自治体が努力だけで「牛肉!」「海鮮!」の自治体に勝てるとは思いません。


 また、このふるさと納税が出てきてから、他にもクラウドファンディングなども出てきて、日本人の中に「寄付=何らかの見返りがあるもの」という考えが定着してしまっているように思います。お礼をすること自体はとても気持ちのいいことだと思いますが、あくまでお礼は感情から出てくる行動で、必須・当然とするのは何かが違うなと感じてしまいます。


 あと現実の利害を考えると、私は横浜市という日本最大のマンモスタウンに住んでいるのですが、横浜市民は都内に働きに出るようないわゆる「意識高い」人たちが多く住んでいるため、ふるさと納税をされている方も多く、税金の流出が問題になっています。横浜市は土地の広さ・人口ともに全国最高クラスでたくさん税金が必要なはずなのですが、市民の皆さんは税収が減っていいのかな?と素朴に疑問です。個人のレベルでトクしているからいいんでしょうか?私は横浜市の暮らし(道路の整備や街・施設の美化)や横浜市に関わって働く人々(ごみ収集で働く人々や公園整備の造園業の方等)の待遇を税収でよくしてほしいと思うのですが…


 少し真面目な内容になってしまいましたが、本日はこのあたりで。




 

 
 
 

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